十六夜のフォルトゥーナ レビュー

2019年4月14日

Lapis lazuliの十六夜のフォルトゥーナを全クリしたので、レビューしようと思います。

※ストーリーの核心に大きくせまるネタバレはしていません

概要

作品名:十六夜のフォルトゥーナ
ブランド:Lapis lazuli (公式サイト) [Visual Art's]
ハード/ジャンル:PC(Windows) / 恋愛ADV (R-18)
発売日:2013/11/29
END数:4 (攻略キャラ数と同数)


十六夜のフォルトゥーナ

レビュー

総プレイ時間:約40時間
※評価について・・・S>>A>B>C>Dというランクでそれぞれ必要に応じて+-を付ける

各キャラルート

概観
攻略の順番は、時雨 or 小菜 -> 乙女 ->ルシア とほぼ決まっています。乙女は時雨と小菜の両方を、ルシアは乙女を攻略していないとプレイできません。また、個別ルートに入ると新キャラによる新規イベントが挟まれます(時雨の場合はなかった気がします)。

冬月 時雨 評価:A
オーソドックスなツンデレキャラでENDもいい意味で普通に締めていたと思います。おそらく時雨√ではオーソドックスなENDにしたかったという意図が窺えます。時雨はキャラ投票でも一位です。やはりツンデレの需要は健在といえますね。姉である小菜の死を乗り越え主人公に心を開いていく過程は必見です。

冬月 小菜 評価:B
本作の設定を活かしすぎたせいか、もっとも現実離れしすぎているルートであったと個人的には思いました。このみのイベントがなければ評価はもっと低かったかもしれません。このみのイベントは良かったと思います。もっとも、小菜は幽霊であるので攻略キャラには入れてほしくなかったですね。せめてファンディスクで、といったところでしょうか。

九条 乙女 評価:A+
九条家の秘密を握る最も重要なルートだといえます。九条家の先祖のエピソードはボリュームがありました。率直にいって面白かったです。乙女の一途なところが最高です!(乙女も可愛いがかぐやもなかなかかと・・・w)

汐宮 ルシア 評価:A+
まさかの悪魔に取りつかれた姉ノエルが登場。汐宮家の秘密が紐解かれます。一番宗教が絡んでくるストーリーでした。(聖書に興味が湧いてしまうほどでしたw) 今までの全てのルートが集結されるのでプレイのしごたえはあります。ルシアは素晴らしいお方・もう聖人といっていいレベルの人でこんな彼女がいたら幸せすぎると思いました^^

各システム

シナリオ全体 評価:A
ストーリー全体としては、独創性がありかつ伏線の回収もしっかり出来ており面白く感じました。しかし、攻略キャラを少なくしたせいか、意図的にストーリーの引き伸ばしをしている感が否めなかったです。特に、個別ルート突入時からイベント発生までのダラダラっぷりがなかなかのものだったので、少し減点しました。(個別ルート突入後の新規イベントは面白かったですが。)

絵・イラスト・キャラクター 評価:S
各キャラクターの個性もしっかり出ており、絵・イラストのクオリティも申し分がないです。初めてOPを見た際は少しロリ系か?といった感じがしましたが、プレイしてみると特段そういうわけではないことがわかります。もう少しSD絵があっても良かったかもしれません。

音楽・BGM 評価:S
何も言うことはありません。OPもEDもfripSideを起用しているあたり、かなりのやる気を感じられます。BGMも良いです。

SE・効果音 評価:C
電車のドアの開閉オンが非常に気になってしまったのでこの評価としました。田舎に走っている電車とは思えないドアの開閉音であったからですw

システム 評価:A
ATSシステムが興味深かったのですが、プレイヤーのタイミングで微妙になってしまうこともあります。また、必ず見ておかないと後のストーリーで不明な点も出てくるであろう箇所もありましたので、少し減点しました。

Hシーン 評価:A
時雨:1回 at テント
小菜:1回 at テント
乙女:2回 at テント&公園
ルシア:1回 at ルシアの部屋

しつこすぎることはなく程よいと感じました。あってないようなものと考えて頂けると良いでしょう。

表記について 評価:D
誤字脱字・助詞抜け・文法ミスがかなり多いのが残念でした。
パッチもまだ出していないようなのでがっかりです。また、固有名詞や常用漢字以外のもののフリガナも少なく感じました。

動作について 評価:A
筆者の環境は、Windows 8.1 (64-bit)・Intel Core i5・RAM(メモリ) 16GB という環境ですが問題なく動きました。メモリの使用量は約400MBといった感じです。ただ、エフェクトが多少のろのろしているように感じましたが、これはアニメーション速度に因るものだと思われます。

総評

評価:A
非常に面白かったです。宗教についても考えることができたし、話自体も良くまとまっていたように思います。ただ途中のダラダラ感と誤字脱字には注意してもらいたいと思いました。今後もこのブランドの作品に注目していきたいところです。


十六夜のフォルトゥーナ